2009.6.30 18:34 産経ニュース
ネットゲームにのめり込み、昼夜逆転でバーチャルな世界に生きる「ネット廃人」が増えているという(写真はイメージ。寺河内美奈撮影)
インターネットを介して多くの人が一つのゲームに参加する「オンラインゲーム」(ネットゲーム)に長時間のめり込み、健全な生活が送れなくなる人が増えている。「ネトゲ廃人」。ネット上ではこんなショッキングな名前で呼ばれ、昼夜逆転の生活を続けた揚げ句、退学や退社、離婚に至る人もいる。最近は小学生の参加が増え、金銭や時間を管理できなくなることに懸念の声が上がっている。
東京都内の派遣社員の男性(24)は中学3年から昨年まで9年間、1日10時間以上ネットゲームをしていた。私立の中高一貫校だったが、夜中に起きているため遅刻が常習となり、勉強についていけず高1で退学した。大検で私大へ進んだが、2年で中退。その後もゲームをやり続けた。
「最長で連続72時間やった。1人でやっていても楽しいし、仲間とパーティーを組んでも楽しい。利用料などで月に3万円使っていた。最後のほうはもう飽きていたけれど、それでもやり続けた。自分でもなぜだか分かりません」
業界団体「日本オンラインゲーム協会」(植田修平会長)によると、ネットゲームは韓国で急成長し、日本では平成14年ごろから広がった。協会の会員21社のうち4分の1は韓国系だ。19年の国内全体の登録ユーザー数は延べ約5905万人、市場規模は約1121億円に上るという。
従来のテレビゲームと違うのは、オンラインの特性を生かし、参加者がチャットと呼ばれる会話機能でコミュニケーションできる点だ。中2から高1まで人気ゲーム「ラグナロクオンライン」を1日11時間やっていたという都内の男子予備校生(18)は「文章でやり取りするため、現実の会話より価値あるものと思える。『ネトゲ』をプレイしながらゲームの住人たちと多くの会話を重ねてきた日々は中高生時代の財産の一つです」と言い切る。
参加者同士で恋愛関係になるケースも多いという。北海道警は昨年10月、不正アクセス禁止法違反などの疑いで、宮崎市の43歳のピアノ講師の女を逮捕した。人気ゲーム「メイプルストーリー」の中で、女が架空の結婚をしていた札幌市の33歳の男性会社員から一方的に「離婚」されたことに腹を立て、男性のIDとパスワードを使って男性のキャラクターを消去した容疑だった。
「ネトゲ廃人」の著書があるノンフィクションライター、芦崎治さん(55)によると、ネットゲームにはまる人は子供のころからゲームに親しんできた10代後半~30代前半の男性や主婦らが多いが、最近は小学生が増えている。
チャット画面に深夜、「おともだちになりませんか」などとひらがなの幼い文章が書き込まれていることがそれを示している。
ゲーム代は基本料金が無料で、アイテム(装備品)やアバター(分身)といった付加サービスを利用すると課金される方式が主流になりつつある。
ゲームに没頭するあまり親のクレジットカードを使って高額のサービスを購入する子供もいる。
年齢制限はゲームによってまちまちで、日本オンラインゲーム協会は3年前から「無計画な利用でお金を使い過ぎてしまう場合がある」と注意を呼びかけているが、事務局は「説明文を読まずに遊ぶ方が多く、なかなか周知されない」と話す。
小6からネットゲームを続けているという埼玉県のフリーターの男性(17)は、両親が離婚した月にゲームを始めたという。きっかけは、ネットで見たゲームの広告をクリックしたことだった。その後は「ゲームが食事のように、日常に組み込まれたものになった。食事をするのと同じだから、なかなかやめられない」という。
芦崎さんは「ネットゲームにはまる子供は、親が離婚しているケースも少なくない。どんなゲームで月にいくら使っているのか、親がきちんと見ていれば止められる」と指摘する。
以上、元記事のリンク先が消失していたため、ダークウェブを駆使して(大嘘)アーカイブ記事を此処にコピーしました(引用元→http://dataonline.sblo.jp/article/42420612.html)