カエル

お勉強からの帰途、道端にある屍骸を目にしました

さいしょ子犬かネコかなって思ったんですケド、どうやら大きなカエルの轢死体だったみたいです(キモチ悪いから凝視できなかったのですが…)

そういう可哀想なワンコやニャンコには、誰でもなんとなく憐憫の情みたいなのが湧いてきますよね

でもでも、なんでかカエルには湧きません

っていうか、少なくともワタシには湧かなかった

不快な気分だけがココロの内に立ち込めるから、はやく別のコトを考えてカエルをアタマの中から追い出そうとします

そうしてすぐにカエルのコトは忘れて、ダルのコトや霧風クンのコトでアタマの中は満たされるのです

<あの夏の、僕ら ダルビッシュ有>
< Mistiness – Kirikaze ( Stageplay) >

どうしてカエルはそういう扱いなのでしょう

たま~に、TVとかで爬虫類に愛を感じる「虫愛づる姫君」みたいなお姉さんが取り上げられたりしますよね

あぁいうヒトの内実がホントはどうなのか解らないのですケド、きっと爬虫類のテクスチャは予想外にすべすべしてるっていうのがスキになっちゃうきっかけなんじゃないかな

バッグだってお財布だってベルトだって、爬虫類の鱗はとっても重宝されてるもんね

スベスベで、すこし硬質で、なんてゆうかちょっとマッチョな男性の肌みたいなカンジがします

でも、両生類の皮膚はちがうでしょ

爬虫類の鱗が乾燥した陸地への適応のために手に入れたモノだとすれば、両生類のヌメヌメした粘膜質の皮膚は、水辺からは決して離れられない… 一種の宿業めいた素材です

あのヌメヌメがスキっていう女性は、さすがにいないと思うのです(メンズもね^^;)

ヌメヌメはどうして不快なのか

粘質っていうのは液体と固体の中間の相です

液体っていうのは、他の液体と混ざり合わさって渾然一体となってしまうモノ

対して固体っていうのは、他と隔絶し、独立して存在する個をあらわすモノ

粘質は、本来個別の、独立した存在である固体の間に介在することによって、固体の輪郭を融解・液化し、その独立性を侵します

個別の存在を、ひとつに同化した「なにものか」に融合しようと機能します

カエルとワタシたち人間との輪郭が、粘質を媒介して接触することで、液化し同化してしまうコトに対する不快感

カエルという存在のテクスチャが持つ不快感は、そういうモノなのではないでしょうか

ただ、粘質が必ずしも不快なモノとだけは言えませんよね

たとえ刹那的ではあったとしても、自分にとって心地良い存在となら、粘膜を介して「ひとつになってしまいたい」と願ったりしますもんね(乙女設定なサイトにしては結構大胆な表現ね^^;)

とすると、カエルという存在には、本質的に不快な何事かが内包されているというコトなのでしょうか

思うのですケド、カエルって半端に人間に似てるトコロがとっても不快なんじゃないでしょうか

ロボット工学に「不気味の谷現象」ってゆう言葉があります

「人間がロボットに対して抱く感情は、ロボットがその外観や動作において、より人間らしく作られるようになるにつれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わる。人間の外観や動作と見分けがつかなくなると、再びより強い好感に転じ、人間と同じような親近感を覚えるようになる。」というモノだそうです

機械は機械らしいほうが理解しやすい

ヒトはヒトらしいほうが理解しやすい

妙にヒトに似てるくせに、そのどこかに機械を感じさせてしまう部分が露呈すると、ヒトはそれを奇妙とか不気味と認識する

奇妙とか不気味という感情は理解不能な存在に対して生じる、ごく自然な生理反応としての「気分」です

ヒトに似てるクセに、ヒトとしては認めがたい何らかの因子を直感した時、ヒトは不気味を感じます

精巧にできた人形をまじまじと見つめた時に感じる不気味さは、そういうトコロから生じる感情でしょう

同時に、自分に似た存在に感じる不気味さは、自分の存在というモノが本質的に内包している危うさをも想起させます

もしかしたら… 煎じ詰めてしまえば、自分もその不気味な存在と同質のモノなのではないか

人間という存在と機械人形との違いをいくつ数え挙げられたとしても、実は根っこのところでは繋がっている「危うい存在」なのではないか…

そんな、自らの存在に対する「言いようのない漠然とした不安」みたいなものを、人形は感じさせます

カエルの姿は半端に人間に似ています

二本の手と二本の脚

二つの眼と鼻先、口の絶妙な配置のバランス

妙に白くて柔らかそうなおなか

これらは極めてディフォルメの効いた人間… それも胎児の在りように似ていると感じませんか

胎児とは、あらゆる人間の祖形です

そのうえ、薄らみっともなく地べたを這ったり跳ねたりする姿は、日々の生活にあくせくと汗し、右往左往するヒトの在りようにも似ていたりします

そういう自分自身の根源的な部分に直結しかねない姿… それが粘質をまとった皮膚で存在しているのです

「キミは自分のコトをヒトだヒトだと声高に主張しているが、煎じ詰めればボクとおんなじ存在なんだよ なんならボクに触れてごらん このヌメヌメが、キミとボクとを形成している個体としての輪郭を溶かして、ボクとキミはひとつになれるんだぜ」

そんな幻聴を、カエルという存在はワタシの耳にもたらすような気がします

ワタシも、あのヒトたちにとってはカエルの様に不快な存在なんだろうなぁと、お勉強からの帰途、ずっと考えていたのでした

<石川進:ど根性ガエル>

コメント

  1. ビバ☆メヒコ より:

     蛙って俺は好きですよ。24時間ローション生活には憧れます。塗り立てって感じも好きだな。啓蟄って確か蛙が土から出てくる事だったんじゃなかったかな?けいちつ。何度辞書を引いて興奮したことか・・・・・。

  2. 千葉っぷ より:

    「カエル」といえば、あたしゃぁ、ひろしくんだな!
    眼鏡を頭の上にのせて・・・・・
    ぴょこん、ぺたん・・・
    そう、ど根性ガエルだよな・・・。
    あっ、元気そうでひとまず安心。
    PS
    今日、高知日帰りしてきた。
    これで四国は制覇!!
    残るは2県だけっす!

  3. すずね より:

    >ビバ☆メヒコさま
    ウェットアンドメッシー…
    そっち方面のフェチが身近にいたのを忘れてました^^;
    そっかー、カエルってそっちの方面のヒトたちには確かに愛されうる存在だったんですね
    自分の見識が、いかに狭量で浅薄であるかを痛感させられちゃいました
    カエルとの融合を許容するヒトの実在…認めざるを得ない「世の不条理」ってヤツですネ…{%がっかり(orZ)webry%}

  4. すずね より:

    >千葉っぷサマ
    カエルとの融合…
    そんなフェティッシュでアバンギャルドな視点から改めて考えてみれば、ド根性ガエルってゆうおはなしもかなり斬新な風味を醸し出してくれそうですね^^
    ひょっとしたらヒロシって、↑のビバ☆メヒコさまと同じ性向のフェティストだったのかしら…?{%顔モジヒヤッ(シェイク)hdeco%}
    もっかい賞味して確認してみたいケド、ド根性ガエルのDVDって妙に高いんですよね
    {%うーん…(シクシク)hdeco%}
    1話15分ってゆう、短いスラップスティックコメディ群だけど、いいカンジのおはなしがたくさんあるんですよね
    15分間で、ほとんどセリフらしいセリフもない「カンカン空き缶」ってゆうおはなしが今でも大スキです{%流れ星webry%}

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